私の家は代々利賀村上畠(うわばたけ)道場の毛坊主を勤めてきました。毛坊主というのは、結(ゆい)と呼ばれる地域共同体のリ−ダ−として、村の行事や会合の世話をする役目のことです。南砺の民衆は、妙好人赤尾の道宗を毛坊主のはじめにいただき、五百年にわたって平等で民主的な共同体をいとなみ、美しい土徳を創り上げてきました。そしてその土徳に今も私たちは育まれています。
私はこうしたよき伝統が純粋に伝えられた山村の歴史を誇りに思うとともに、共同体のために汗を流さずにおれない自分の心のル−ツを感じます。
私は蕎麦打ちこそ得意ですが、特に人なみはずれた才覚があるとは思っていません。でも私は人々とともに汗を流しながら、みんなの智恵と願いを真心で結び合わせる力をご先祖から賜りました。
私は南砺市を、合併により数多くの市民団体や頭脳集団が集まった一つの結(ゆい)だと考えています。もともと南砺は非常に稀有な自然と文化、協働の精神に恵まれています。それらの伝統的資産が、先端情報技術の大胆な活用やみずみずしい先駆的思考と結ばれることにより、また行政と市民活力がより緊密な一体感をもつことにより、生活圏としても観光圏としても真に尊い恵みを内外にもたらすのです。そのためも衰えつつある民衆共同体の力を活性化し、結集できる二ュ−リ−ダ−が必要です。
どうか誠実で誇りある市民の皆様、私に21世紀の毛坊主としての汗を流させてください。



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